ご質問への回答

先に行いましたAAAの9月研修では、2日目に下記のスペシャトークを実施いたしました。


研修終了後にいただいたご質問に、講師より回答していただきましたが、その内容は、研修参加者のみなさまだけでなく、他機関との連携・協働にご関心がある方にも共有していただくとよいのではと思いましたので、講師にご了解の上、ここでもご紹介させていただくことにしました。


スペシャトーク:地域で遭遇する精神保健の問題への対応
講師:芦沢茂樹(地域保健課)

(問)私自身、精神保健の機関とまだ関わりがない為、どのタイミングでご相談したらよいか分かりません。包括で困り果ててからのご相談の方が良いのでしょうか?


(答)他機関への相談という話をさせて頂くと、いつのタイミングで相談したらよいかとの話を頂きます。
私は、自分達が何に困っていて、何を相談したらよいか分かっている時に相談して下さいと答えるようにしています。何に困っているのかが分からない場合は、アセスメントをし直す必要があるのかもしれません。


(問)行政としては本人主体で捉える所と家族や近隣を市民として守らなければいけない所とを持ち合わせいて、その時の優先順位を判断しなければと思いますが、どうでしょうか?



(答)本人主体で捉える。家族、近隣を守る。優先順位で判断する。どれもその通りだと思います。
ただ、優先順位の判断をする際に、何を基準につけますか?

私はそこが気になります。優先順位の話が出る時は、基本的には何か方針を決定する時です。
当然のことですが、決定をする前にそれに至るまでの過程が大事になります。その過程でどういう立ち位置で、自分達は立ち振る舞うのか。そこの話が優先順位の話と共に大事ではないかと私は思います。


(問)地域から寄せられる相談に対して、「専門家なのだからすぐ何とかしてほしい」と言われることもあると思います。しかし、即解決しないことの方が多くあります。そのような時、どのように地域の方へ声をかけていますか。



(答)既にされていることでしょうが、私も自分達が出来ることと出来ないことを説明します。
ただ、相手は即解決を望んでいる為、その話に当然納得するはずはありません。「専門家なのだからすぐ何とかしてほしい」は、「専門家なのだから、(私は一切関わらないで)すぐ何とかしてほしい」ということなのだと私は思います。


私であれば、即解決を望む地域の人(クライエント)が何に困っているのか、どのような解決を望んでいるのかを聞くのかなと思います。その上でどんな対応をしてきたのかなど。
このような話の場合、すぐに解決の話になり、解決するか否かの二者択一の話になってしまうと思います。そこが問題であり、話を元に場所に戻すことが必要なのだと思います。



(問)数多くある機関、とくに医療機関の相談員の傾向や医師の専門など、どのように情報を収集して対応していらっしゃるのか。



(答)これまで関わった相談員の中で一番良いと感じた相談員に医療機関の情報等の話を聞くことだと思います。
素敵だと思った相談員は素敵な相談員を知っています。その人達のネットワークが分かれば、これ以上の社会資源はないと思います。情報を得るには情報源が大事であり、誰に聞くかで話が違ってきます。


以上です。
(副田あけみ)