パートナーシップ

AAAの考え方の基盤であるサインズ・オブ・セイフティ・アプローチを作り出したターネルさんとエドワードさん。


彼らが、1997年に児童虐待に関する専門誌に「Aspiring to Parnership」というタイトルの論文を書いています。

これを軽い感じで訳すと「なんとしてもパートナーシップ!」でしょうか?


この論文によると、
家族と児童虐待防止機関との「パートナーシップ」は、お互いが理解した目標に向けて相互に努力すること、という意味です。


家族の価値観や信念、家族のストーリーなどを聞くことによって、つまり、家族の「ポジション」を理解することで、援助者側はどのように協調的関係をつくっていけばよいのか、どのように安全をつくっていけばよいのかヒントを得ることができます。


また、例外に関する質問をし、ストレングスや資源を聞き出し、コンプリメントする。そうしたなかで、家族がかつてやっていた行為や考え方、あるいは家族が納得できるもののなかから、好んでやるべきことがでてくるならば、それは安全のサイン。


しかし、ストレングスを見出すことができず、目標づくりや目標に向けた努力をともに行っていくというパートナーシップが作れない場合もあります。


そのときは、機関の目指す安全目標を家族に伝え(絶対にゆずれない線を明示し)、その目標に向けて家族が努力しない場合の結果を説明します。


これは、子どもを親から分離し、親を裁判所に出向かせるという法的介入に先立つ当座のステップとして行うべきものということです。



高齢者虐待の場合も、養護者が非常に暴力的であったり攻撃的であって、パートナーシップをつくれそうもなく分離措置に至るケースはあります。その場合、上記のように、ゆずれない線を示し、機関の示す目標に向けて家族が努力しない場合の結果を明示することになるでしょう。


しかし、分離措置に先立ち、養護者のストレングスを見出す努力、パートナーシップをつくる努力をすべきと私たちは考えています。


また、ターネルさんたちも言っていますが、分離措置という法的介入をした場合でも、パートナーシップづくりの努力は行うことができますし、行うべきだと私たちは考えています。


もっとも高齢者虐待の場合、話せる感じがまったくもてない養護者や、まったくストレングスが発見できないという養護者は、虐待者全体のなかでは少ないほうではないでしょうか?


虐待する養護者とパートナーシップをつくり高齢者の安全のために協働することが、養護者支援につながるのか、それとも別のことなのか。それについては、またそのうち。。。


猛暑が続きます。お互い、熱中症には気をつけましょう!



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