9月AAA研修時アンケート結果(1)

(10月のうちにUPするはずであった記事を忘れておりました。かなり遅くなりましたが、そのまま掲載させていただきます。副田)



9月12日、13日と首都大学東京で実施しましたAAA研修会のアンケート結果の一部を要約してみなさまにご紹介したいと思います。

参加者のみなさまの感想やコメントを要約してご紹介させていただき、私のリプライを、言い訳だけにならないよう心がけながら書かせていただきます。

(すみません、長くなりました。ご容赦ください。)


今回は、1日目(12日)の研修終了後にお書きいただいたアンケートの中から、A:来年度の研修に向けて私たちが反省・内省すべきと点と、B:「それはよかった!」と思わせていただいた内容についてです。


A:私たちが反省・内省すべき点

①研修会場
「研修会場がみつからず大学内をウロウロ。守衛さんや大学事務員に尋ねたが、わからない。会場の案内方法(表示)を正門のあたりにわかりやすく出しておいてほしい。」


・ これにつきましては、本当に申し訳ありませんでした。改めて心よりお詫び申し上げます。

・ 案内表示を正門のところに出しておりましたが、剥がされてしまうという事件(?)がありました。


・ 来年度は、AAAのホームページにきちんと何号棟の何番の部屋という点まで、明確に表示したいと思います。また、研修直前に、あらためてこのフォローアップMLで場所時間をお知らせしたいと思います。


②プログラム構成
12日は、①訪問前準備、②理解のすり合わせ、③訪問面接、④安心づくり・例外探しなどの項目を通して、面接技法をみっちり学ぶプログラムでした。


「内容が盛りだくさん。消化しきれない面があった。」
「受け取る側のキャパシティーの問題もあるが、講師がたくさんのことを伝えたいようで、その中からどこを受け止めたらいいのかしぼり切れなかった」
「テーマを分けてじっくり取り組めると、ワークがさらに実感として感じられるのではないか」
「『対処』『例外』については、虐待ケースで取り組んだ方が深まるのではないか」



・ 前半のご感想は、もう少し焦点を絞って研修内容を構成してはどうかというご指摘かと思います。

・ 2011年から始めたAAAの研修も、2015年で5回目となりました。基礎研修と応用研修に分けて実施した年もありましたが、毎年同じプログラムではなく、少しずつ新しいものを加える形で進めてきました。


・ また、これまで私たちが研修をさせていただくなかで気付かされた点、学んだ点を盛り込んでお話をしていると思います。

・ そうしたことが、焦点が拡散しているような印象や、盛りだくさんで消化しきれないという印象をもたらしたのかもしれません。


・ 2日目のアンケートでも同様のご感想がありました。これらを踏まえて、来年度以降は、AAAの研修について、 例えば、

  (1)基礎研修(推奨:AAAを初めて学ぶ方、もう1度学びたいと思っている方)

 (2)上級研修(推奨:AAAをすでに学んだことのある方、応用編を学びたい方)

 (3)施設虐待予防研修(推奨:施設虐待防止に関心のある方。こちらは、いずれ、援助者向けと管理者向けに分ける可能性もあります)

  に分け、新しい研修内容は、基本的に(2)のなかでご提示していくことができればよいのでは、などと考えています。これにつきましては、研究会メンバーと検討し、早目にご提示できればと思います。



・ 後半のご感想について。確かに、テーマを絞って時間にゆとりをもたせれば、タイムシート面接などで、自分自身の経験の振り返りをやったうえで、虐待ケースを使ったロールプレイも可能だと思います。実際、9月研修以外では、そのようにやったこともありますので、考えてみたいと思います。



・ ただ、ご自身の経験でワークしていただくことは重要だと考えています。『対処』や『例外』について訊いてもらい、コンプリメントを受ける、そのときに生まれる自分自身の気づきやポジティブな感情、相手との心理的距離感の縮まりなどを実感していただくことが、事実に基づくコンプリメントの力を学んでいただくうえで必要なことと考えているからです。


③+α  

「AAAは、危機介入やシビアな判断ができてこその+αのアプローチ技法ではないか」


・ 虐待対応ですから、重症度・緊急度やリスクに関する適切な判断が第一に必要ということはその通りです。

・ AAAは虐待に対する早期発見早期対応を目指した介入アプローチですが、虐待か否か、虐待はどの程度深刻か、虐待につながる状況としてどの部分が心配か、といった点について、「危害・リスク確認シート」でしっかりとアセスメントすることを重視しています。


・ しかし、「危害・リスク」だけを見ていて「安全」につながるストレングスや資源の有無、状況を確認しなければ、今起きている状況を全体的に把握することはできません。


・ 危害状況が危機的状況ではなく、リスクもさほど多くないけれども、ご本人や養護者、家庭全体にストレングスや資源といったものがあまりない、ということであれば、虐待が繰り返されるおそれ、深刻化するおそれは大きい、とAAAでは考えます。


・ 一般的に言って、私たち、特に援助職は、問題・ニーズ・リスクには容易に目がいきます。それに比べ、ストレングスや資源については意識しないと発見できなかったり、話を訊くなかでわかってくるという側面が強いので、AAAの研修では、こちらを聞き出す面接を強調することになります。


・ ご本人やご家族に問いかけながらストレングスや資源を確認していくことは、かれら自身のエンパワメントにつながるというだけでなく、ご本人やご家族、そして、危害状況をトータルにアセスメントするために必要なことなのだと考えています。


・ AAAは、第一報があったその時点から危害リスクとストレングス資源の両方を見るという「複眼的視点」に立つアプローチです。


・ 即分離といった危機的事例についてもAAAで対応することは必要だと考えますが、それについては後日触れたいと思います。


以上のことを考える機会を与えていただきました、「ご感想」「ご意見」に改めて感謝いたします。



B:「それはよかった!」思えた感想

「相談援助に携わっていて対応が長期になってくると、目の前で起きている問題にどう対処するかにだけに目が向き、視野が狭くなって、工夫していることに目が向かなくまってしまう。そうしたときの打開策として、AAAの考え方を活用したい」


「時間を追って様子を聴く面接は普段もやっているが、介護者の活動にもう少し焦点をあてて聞き取りすることで、本人の状況なども見えてきやすいのかと思った。シートを活用してみたい」


「提案をどうしてもしたくなるが、対処や例外を聞くことで、本人や介護者の持っている力をより知ることができることがわかった。これからもっと意識してやってみたい。」


*こうしたお声はまだたくさんいただいたので、続けてご紹介したいのですが、ここまでで相当長くなりました。今回はここまでにします。最後までお読みいただき、ありがとうございました。