施設虐待防止

*先日、埼玉県が児童、高齢、障がいの福祉施設職員に対する虐待防止研修の義務付けを発表した、といった記事を見ました。

これは、今年3月に厚生労働省老健局長が出した「平成27年度『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査』の結果及び高齢者虐待の状況等を踏まえた対応の強化について(通知)」に基づいて行われたものと思われます。

この通知では、「関係者等への研修等による対応の強化」が2番目の要点としてあげられており、その最初に、「養介護施設等の施設長等へ身体拘束、虐待に関する研修を行い、施設内で適切な研修の実施、職員へのストレス対策等を促すことで、発生要因の軽減を図る」と記述しています。

施設内虐待防止には、介護従事者の賃金アップ等による人員不足の改善・解消、それによる過重負担の軽減が第一に重要と考えられます。しかし、それはなかなか簡単にはいきません。。。。


それに、過重負担によるストレスだけで虐待が起きるわけではありません。
虐待が起きる背景にはさまざまな要因が絡んでいます。

そうしたことを、まず、管理職や職場リーダー層の方々に理解していただき、職場での研修や感情管理、メンタルヘルス対策を検討していただく。これも大変重要なことだと思います。


*今年のAAA9月研修でも、施設虐待防止研修をBセッションとして行います。

施設虐待防止研修の今年の目玉は、ワールドカフェの方法を取り入れ、「施設虐待調査」について、みんなで考えるというプログラムです。

AAA研究会のメンバーである松尾さんが勤めていた職場で作成した「ストレングス視点」に基づく「施設虐待調査票(聞き取り調査票)」(市区町村の高齢者支援課等担当者が、虐待のおそれありと通報のあった施設職員から聞き取り調査する際のシート)をご紹介しながら、参加者のみなさんとご一緒に、立ち入り調査や実施指導の在り方、施設虐待の予防・対応について考えていきます。

今年度の施設虐待防止研修は、主に施設の管理職、職場リーダー層の方や行政職員を対象としています。
施設虐待防止にご関心のある方、どうぞ、ご参加ください。

(副田)