9月研修の振り返り(3)セッションB:施設虐待防止(午後)

午後の担当の私は、施設内虐待予防のための一つの方法として、職員間の関係づくりを促進するためのコミュニケーションスキルを中心に、ワークを含めて実施しました。


昨年に続きご都合のつかなかった土屋先生の代役でしたが、少し慣れてきて、気持ちの上では余裕をもって望めました。ワークに関しても、参加者の皆さんが積極的に参加してくださり、とてもありがたかったです。


ワークでの話を聞いていると、皆さんそれぞれが高い問題意識を持って臨んでいらっしゃることが伝わって来て、私自身もとても刺激を受けました。

北は北海道から、南は佐世保や沖縄からの参加者の方、また社会福祉法人に限らず民間の有料老人ホームからの参加者の方もいらっしゃって、それだけ施設内虐待は大きな課題を含んでいることを感じました。


今年の3月に厚労省通知が出され、各自治体が虐待防止に向けて研修を開催するように求められていることもあってか、今年は行政の方の参加も見られ、関心の高さを示していました。


 今年は、新たにテーマトークとして「ワールドカフェ方式」を取り入れて、施設と行政の方がグループに入り混じって、共に虐待予防に向けていろいろなアイディアを出し合い、情報交換ができたことが大きな収穫だったかな、と思います。

以前、行政に所属し虐待通報に対して施設への立入調査を行う立場にいて、お互いへの理解の薄さが誤解や先入観を生み出し、場合によっては一種の「敵対関係」とまではいかなくても、相互不信や一生懸命やっている施設の職員の気持ちを充分理解できずにどうしても介護保険の実地指導のイメージを両者が持ってしまう「弊害」を感じていたので、今回の試みは、相手の立場になって考えてみる機会にもなったかな、と参加者の感想からも感じました。


ワールドカフェ方式は、参加したことはあるものの、ファシリテーションは初めてだったので、松本先生のお力を借りながら実施したため、不十分な進行があったと思いますが、参加者の方々は本当に熱心に取り組んでいただきました。ありがとうございました。


 また、今回は、パワーポイントの映像だけでしたが、行政が施設に立入調査に入る際の聴き取り用紙について、コンプリメントの視点を取り入れたものを紹介しましたが、後から何人かの行政の方から具体的な質問を受け、今後機会を見て、AAA研究会のHPにアップ出来るよう吟味していきたいと思いました。


 以下に感想のいくつかを紹介しましょう。

〇人間関係、コミュニケーションが職場環境にいかに大切であり、利用者様に与える影響が大きいか改めて感じる事が出来ました。施設で取り組もうとしている事が間違っておらず、率先して協力してゆかなければと思います。

〇何においてもコミュニケーションが大事だなと改めて考えました。

〇虐待とは何か、虐待についての知識は大切だが、本日のように虐待をおこさせない風土作りが大切なのだと改めて感じました。

〇行政に求められていること、もっと相談しやすい行政作りを目指していこうと思います。

〇虐待防止について自施設のみで考え対応していくのではなく、行政や、地域、他施設と協力し合い取り組んでいく事なのだと思いました。

〇施設、行政、管理職、現場のスタッフと様々な方が参加していたので、それぞれ持っている課題、取り組みについて意見交換が出来、大変、勉強になりました。

〇行政との関りを深めること。

〇まずは行政と施設の思いが乖離していることを、同じスタッフへ伝えていければと思います。

〇施設、行政、管理職、現場のスタッフと様々な方が参加していたので、それぞれ持っている課題、取り組みについて意見交換が出来、大変、勉強になりました。

〇ワールドカフェは、グループワークを行うにあたって、とても有用だと思いました。

〇多くの方の意見を伺うことで、自分自身の視野の狭さを感じました。その点、ワールドカフェは短時間で、多くの方の意見を聞けるので魅力的でした。

〇ワールドカフェ方式を用いて介護保険課、高齢者相談係と協働企画し虐待においての連携を考えてみたい。

〇ワールドカフェ方式はぜひやってみたいです。(ユニット会議や職員会議でもできたら・・・)

〇研修内容を持ち帰り、職場全体で理解を深めていきたいと思います。


 全部は紹介しきれませんが、多くの方々の感想から感じられる熱意に、とても励まされました。特に最後に載せた感想からは、伝達研修として職場で実施していただければ、私どもAAA研究会が目指しているものを、各施設で、各地域で広めていただけるのではないか、と心強く思いました。


                           松尾 隆義