面接、というと30分なり1時間なりと落ち着いた時間をしっかり割いて、ゆっくり深くお聴きする、というイメージをお持ちのことかと思います。
そして、実際、そのような面接ができる時には大事な時間になりますよね。
ただ実践の現場の中では「30分も!」等と言う悲鳴もときどきお聴きします。
AAAの各シートは、できるだけシンプルに作っていますが、丁寧にお聴きしようと思えばいくらでも丁寧にお聴きすることができるかと思います。
ただそこは実践現場の現実を優先して下さい。
1枚のシートをめぐる面接を、一度に全て行う必要はありません。援助職も大変ですが、あれこれ聴かれるご本人、ご家族も大変くたびれてしまうからです。相互のご負担を考えながら、どこの部分をお聴きするのか、等と部分的に活用いただければ、と思います。
「何もできない」から「何かできることを探そう」に頭を切り替える作業は結構大変です。最初はゆっくりとで構いません。
ちなみに部分的にAAAを意識した実践を行う秘訣は以下の通りです。
解決志向のエッセンスですが…
- 問題を聴いたら、少しでも「対処」をきく
- 問題を聴いたら、少しでも「例外」をきく
- 「例外」や「対処」が聴けたら、それを生み出す資源(内的・外的の両方)をきく
- 心からの願い、どういう状態を望んでいるのか、をきいてみる
上記のうちのどれか一つでも、1回の対話でできれば少し雰囲気が違ってきます。そして話し合いの最後には、必ず「まとめ」をつけて下さい。
まとめの付け方は研修でお伝えしている通りですが、
- 「語っていただいたご本人の体験」
- 「それに対するご本人の対処や工夫や使える資源」
- 援助職として感じた素直な敬意・感謝のことば
が基本のセットです。難しい言葉をこねくり回す必要はなく、ただ話しあった内容をそのままの言葉で「おさらい」すれば大丈夫です。
短時間でも、部分的でも、対話の雰囲気が変わるのを徐々にご実感いただけるかと思います。