2015年12月19日AAAフォローアップ研修のご報告と参加者からのご感


〜AAAフォローアップ研修のご報告〜
(フォローアップMLにアップした記事と同じです)

 午後14時からのフォローアップ研修は、講師の長沼さんを含めて17名で実施しました。

 
「リフレクテイング・プロセスとは何か――査定や診断、助言、指導をさしはさまず、向き合う――」というパワーポイント資料をもとに、長沼さんからまず、リフレクテイング・プロセスが誕生した背景やその特徴、展開方法と教わりました。


そのあと、3人ないし4人のグループに分かれ、各グループの事例提供者が支援の上で感じている自分の問題や課題、望んでいることなどについて、長沼さんの指示に従って、各グループがリフレクテイング・プロセスを行いました。


スーパービジョンや事例検討会に応用できるリフレクテイング・プロセスのステップを、詳細を省き簡単に提示しておきます。

練習1 事例提供者の物語:事例提供者にインタビューアーが質問
練習2 チームリフレクション1:検討チームがリフレクショントーク(心に浮かんだこと、考えたこと、感じたことなどを個人的な感想として話す)
練習3 チームリフレクション2:検討チーム同士で、今後に向けたプランなどについて意見交換(結論を出さず、さまざまな考え、意見を言いっぱなし)
練習4 クライエントからのフィードバック:事例提供者からのフィードバック(検討チームの対話へのコメント)
練習5 チームリフレクション:検討チームが事例検討者のフィードバック等について話し合う
練習6 事例提供者のフィードバックとクロージングトーク:事例提供者から検討チームの対話に対してフィードバック。それが終わったら全体でトーク


終了後に、この方法について感想を言い合いました。以下は、そのなかの一例です。


事例提供者:
「しんどさを共有してもらえ、なによりうれしい」「検討チームの話合いを聞くだけで評価されている気がして、面と向かって褒められるよりうれしかった」「努力を認めてもらったうえだったので、提案のアイデアも受け入れやすかった」
「自分が何を言いたいのか、客観的に知ることができた」
「メンバーの体験を聞けるのはありがたい」「解決方法を欲しいと思っていたが、アドバイスという形だったらかちんと来ていたかもしれない」


検討チーム:
「じっくり聞けるので深く理解できる」「事例報告者のフィードバックを聞けて、そうなのかと、相違を納得することができる」「ケアマネ勉強会に使えると思った」「行ったり来たりしながら、最終的に絞られていく」
「感想を気楽にしゃべっていて、アイデアが自然にわいているのはよかった」「ルールが複雑、ただ感想を言うのは、専門職には難しいかも」「ワールドカフェよりきつい」


9月の研修のときのリフレクションプロセスによる事例検討よりも、非常にわかりやすかった、というお声もありました。
講師も参加者も2度目であったからかもしれませんね。私自身も、9月の研修時には私は使えるかしら?と思っていたのですが、今回は、使ってみたい!と思いました。

(副田)


〜参加者のご感想〜

国分寺地域包括支援センターほんだの曽根と申します。

今回、12/19のAAA研究会の公開講座とAAAフォローアップ研修に参加させていただきました。
簡単ですが、感想を寄せさせていただきます。

<「地域ケア会議」について取り上げた公開講座について>

 これまで、虐待への対応や支援の研修=個別のケースワークのスキルアップをイメージしていました。
ですが今回、地域包括として日頃から取り組んでいる地域ケア会議を、虐待の支援とつなげて考えたことで、普段と違う新鮮な視点で考えることができました。
また、他の自治体の方と情報や意見を交換する中で、国分寺市の取り組みを俯瞰的に捉えなおす機会をいただけたことに感謝しています。

現在、国分寺市では、すでに行ってきている高齢者虐待防止ネットワークの取り組みを、マニュアルにまとめる取り組みを行っています。
(そこでも、副田先生には、アドバイザーとして大変お世話になっております。ありがとうございます。)
その話し合いでは、民生委員やケアマネジャーなど様々な立場の委員の方々から、
「虐待になる前の働きかけや予防が大切」「関係機関との連携をどうやって深めるか」という意見が出ていました。

そこで改めて、“高齢者虐待の支援って、個別のケースへの支援で終わりではないんだなあ”と感じました。

認知症高齢者支援の充実や、高齢になっても地域で権利を尊重されて暮らすことの普及啓発が、まわりまわって難しい虐待のケースをほぐしてくれるかもしれません。
ふだん地域包括の役割や機能をPRをしている中で、「虐待」という言葉は少し重たく、他の業務に比べてちょっと紹介しにくいという気持ちがありますが、地域ケア会議などを通して、普及啓発にも取り組んでいきたいと感じました。

<フォローアップ研修 リフレクティング・プロセスについて>
 専門職の助言について、当事者側からの声を聞く、という形が興味深く、勉強になりました。
支援する側、支援される側となると、どうしても立場の強弱がつきやすいものですが、言われた当事者の気持ちを黙って聞くというのはとても価値があります。
支援者として、クライアントに一方的な意見を押し付けていないだろうか、と振り返るきっかけを与えていただきました。

 ルールは少し複雑なので、自分で実践するには何度か練習するとか、インタビュアーの質問事項などをよくイメージしていく必要があるかなと感じました。
ポイントは事実関係よりも、語っている人にとっての出来事の意味や価値観に焦点を当てていくことなのだろうと思います。

新人職員さんと、それを教える先輩職員さんのペアなどでやってみると、相互に学ぶことの多いスーパービジョンになるかもしれないな、と感じました。


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国分寺地域包括支援センターほんだ
社会福祉法人至誠学舎立川 至誠ホーム
   曾 根  友 美