2015年12月19日 AAA公開研究会のご報告
(AAAフォローアップMLに掲載した記事と同じです)
12月19日、午前中にAAA公開研究会(「国分寺市における『地域ケア会議』の取り組み」)を、午後14:00からフォローアップ研修(「リフレクティング・プロセスとは何か」)を実施しました。
公開研究会では、国分寺市の玉井さんから「国分寺市における『地域ケア会議』の取り組み」をご報告いただいた後、質疑応答を行い、2時間半ほど活発な話し合いを行いました。
AAAの研究会でなぜ「地域ケア会議」がテーマに? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。私たちAAA研究会は、2009年度から高齢者虐待事例への介入アプローチの研究を始め、AAAを開発。
2012年度からはAAAによる実践を広げていくために必要な関係機関との協働スキルの研究を始め、協働スキル研修プログラムを創りました。
そして、2015年度からは、高齢者虐待対応としてAAAの視点によるチームアプローチのモデル化に関する研究を始めています。
ミクロからメゾレベルに研究の視点を拡大していくなかで、行政と地域包括を初めとする関係機関間の関係をもう少し広く理解しておく必要がある、そのように考えたため、今回、このテーマにしました。
国分寺市の地域ケア会議は、各地域包括支援センターが行う「個別支援会議」、3つの地域包括が1組となって行う「小地域ケア会議」、それに市全体で行う「地域ケア会議(作業部会あり)」3層に分かれています。
これらの地域ケア会議について、さまざまな意見交換を行いましたが、最後のほうに出た意見を少しご紹介します。
「どの市でも『個別支援会議』において、個別事例の検討とともにその事例や類似事例から地域の課題を抽出する、ということを、また、その課題を政策化して事業を創出するということを試みている。だがそれだけでなく、地域の課題を地域住民とともに確認し、地域住民のほうからこういう活動をしていこう、という動きがでてくるようにしていければいい。」
「地域の人々は、この人がこんなふうに困っているということがわかれば、自発的に関わってくれることが多い」
「地域には、見守りサポーターなど、個別事例への関心が強いボランティアもいる。」
「専門職と住民との関係をどうつなぐかという問題」
「個別事例について検討する地域ケア会議に地域住民が参加し、事例について一緒に検討することも必要だと思う。その場合の個人情報保護については?」
「その場合、当該の利用者、家族に了解を得てくことが必要。」
「総合事業も、住民が地域ケア会議に参加しながらサービス提供までを考えていく、という住民主体による創出を考えていかないと、本来の意味での『住民参加』の事業にならないのでは。」
「地域住民が考え、自発的に活動を展開してもらおうということなら、社協の資源やノウハウを活用すればいい。」
「ケースワークに強い包括と、コミュニティワークに強い社協の協働を進めていくことが必要。」
以上です。
(文責 副田あけみ)