地域包括ケアシステムと専門職

自治体は地域包括ケアシステムの展開を求められています。最近、行政職員や地域包括支援センター職員のみなさんからは、以前にもまして会合が多くなってきた、という声が聞こえてきます。


個別対応や利用者に寄り添った支援の時間を思うように割くことができなくなってきた、アウトリーチができなくなったら、包括の仕事をやめようかしら、といった声さえ聞こえてきます。


人口構造や、家族・地域の構造・機能が大きく変わってしまった今日、また、自己責任が強調される今日、生活ニーズや生活不安・人生不安を抱えた人々への心理社会的支援は、ますます必要となってきています。


その対応の中核を担うのが社会福祉士精神保健福祉士、ケアマネジャーなど専門職だと思うのですが、地域で働くこれらの専門職のみなさんが「やりがい」を失ったり、疲弊してしまうのは、とても残念なことです。。。


今度刊行される予定のケアマネジメント学会学会誌『ケアマネジメント学』(2015年 14号)に、「地域包括ケアシステムと介護支援専門員等の機能」というタイトルの論文を書かせていただきました。


地域包括ケアシステムをサービスデリバリー・システムという観点から整理し、統合程度とサービス種類の範囲の広さによって設定されるサービスデリバリー・モデルに応じた、介護支援専門員や地域包括支援センター職員に求められる/求めたい機能について書いています。


書いてみて、改めて、地域包括支援センター職員や介護支援専門員の方々の役割がますます大きなものになっていることを感じました。

これら専門職の方々が多忙や過重な負担、ストレスで職場を離れていってしまわないよう、人材不足で利用者が困らないよう、今から対策を考えていかなければなりません。


(副田あけみ)