研修時の疑問へのお答え:(2)「誰をキーパーソンに?」

前回のブログ(4月17日)で、「加害している方に認知症がある事例へのAAAによる対応」について、基本を書かせていただきました。


今回は、加害している方が認知症高齢者で、被害を受けている配偶者やお子さん自身もかなりの高齢であるとか、軽度認知障害(MCI)が推測されるなど、加害している人だけでなく、被害を受けている方とも対話を重ねていくことがむずかしいと、面接を通して判断するような場合についてです。


・面接を通して、同居家族や別居のお子さん/ご親族の支援を得られるかどうか見極め、いらっしゃるようであれば、キーパーソンになっていただくよう協力をもとめます。


・ただし、その場合でも、元々のキーパーソンである被害を受けている方の介護力や体調、想いなどを十分に配慮するとともに、新たにキーパーソンをお願いする方の介護にたいする理解や負担感なども考慮します。

事例にもよりますが、キーパーソンを全面的に交代するというより、元のキーパーソンの方をたてて、その方をサポートするような形で協力していただけるよう、新たなキーパーソンの方にお願いする、こうした「キーパーソンの二重構造」も必要と考えます。


・同居家族や別居のお子さん/ご親族の支援を得られそうもない場合、地域包括支援センター、介護支援専門員、行政機関、サービス事象者など、関係者で支援体制の検討を行うことになるでしょう。家族・親族調整や成年後見制度の活用なども必要になってくるかもしれません。

(2)については、とりあえず以上です。忌憚のないご感想・ご意見をいただければ幸いです!


3回目は、(3)「専門相談の相談先と相談の仕方」、4回目は、(4)「サービス事業者への支援」について書かせていただきます。


http://www.elderabuse-aaa.com/