9/18の防止研修に参加いただいた方からエッセイをいただきました!!

「人生捨てたもんじゃない!」
 岡野 美由紀(公務員)

9月18日・19日に安心づくり安全探しアプローチによる高齢者虐待防止研修に参加させて頂いた。たくさんの講義内容とワークが取り入れられた研修であった。ご本人や家族の強みに目をむけ、ともに考える。生活の中に存在するプラスの事実を、ご本人・家族から聞き出す。解決思考アプローチに基づいた実践的なアプローチ、安心づくり安全探しアプローチについて学ばせていただいた。この研修で一番最初に行われたワークについてご紹介させていただきたい。

「変な質問です。今日朝起きてから今までに人生捨てたもんじゃないと思えた出来事はありますか?」
その日の研修は10時開始。私は朝8時起床、5人家族の洗濯物を干し、朝ご飯を食べ、駅に向かい電車に乗って、会場に来た。その2時間ちょっとの間に、人生捨てたもんじゃないと思えるだろうか。なんて無茶な質問なのだろうかと思った。ワークなのでと、予定より遅く起床したがそれでも洗濯干し朝ご飯を食べて、研修に間に合ったことと、無理矢理に考えてみた。

このワークでは、要は生活の中での「少しでも悪くないこと」(=例外)に注目をすること。気づいた「例外」を掘り下げていき、どうしてそんなことが起きたのか、どんなことがよかったのか。だれが支えてくれか。それには自分のどんなところが役だったのか。本人のお手柄として、本人に気づいてもらう。

私の場合は、朝の洗濯干しは習慣となっており、朝ご飯は多少用意されていたのは家族の支えで、平日は家族の起床時間に合わせて自分も早起きしていることを理解してくれていたのか。日常のこの習慣が強みになっていたのではと考えた。こんな些細な慌ただしい時間を、少しでも悪くない出来事とポジティブに考えるだけで、楽しく過ごせるのだということ。単純な私なので、このワーク後、自分の人生捨てたもんじゃないと思ったのである。

2日間の研修では、これ以外にもワークを行い、新たな気付きを得られ、学ばされることが多かった。研修で学んだことをどれだけ活用できるか分からないが、日々の日常の中で、本人と家族にも自分の強みを見つけてもらい「人生捨てたもんじゃない」と気づいてもらいたいと思えた研修であった。お困り事のある方の隣に寄り添って、ともに考えていけたらなと思うのである。