「問題分析」と「成功分析」

高齢者虐待の事例に対応するとき、私たちは、なぜ、虐待の状況に至ったのか、どうして虐待の状況が生じたのか、と問題の原因探しを行いがちです。
問題の原因分析ができると、どの方法から対応していけばよいか、優先順位がわかってきます。また、虐待する人への共感も無理なくできるようになったりします。
しかし、問題の原因探し、「問題分析」という視点だけでは、高齢者やご家族のストレングス(強み、力)を見出し、それに気づいてもらえるような質問を面接で行うことはなかなかできません。

解決志向アプローチが教えてくれる「例外」の視点を広げて、
「例外の」原因探し、問題状況が生じても不思議でなかったにもかかわらず、問題状況が起きなかった「例外」という成功の原因を探す、いわば「成功分析」は、ご本人たちと一緒に、ご本人たちのストレングスを確認していくことができます。
また、うまくいったことについて話しを聞いていくことは、ご本人たちの抵抗感、拒否感を弱めます。援助者も「問題分析」よりリラックスして話を聞くことができるでしょう。

解決志向アプローチを適切に応用することによって、高齢者やご家族にとって、また、援助職にとって「嬉しい」アプローチです。