ご存知の方もいらっしゃると思いますが、認知症介護研究・研修仙台センターが、『高齢者虐待における重篤事案〜特徴と検証の指針〜』を発表しました。
その一部をご紹介します。
★死亡事例の全体的な傾向
・ H24年度から4年間で調査該当事例92件
・「殺人」が37.4%、「ネグレクトによる致死」が31.9%
・ 加害者は、「息子」45.1%、「夫」23.1%
・「経済的困窮・生活苦あり」33.3%
・ 加害者・被害者との関係性は不明を除くと依存・支配的な関係、葛藤ありケースが73.1%
・ 介護サービス利用、医療機関利用、行政への相談は、「あり」が81.3%
・ 発生要因としては、「加害者の障害・疾病」42.3%、「加害者の介護づかれ・介護ストレス」38.0%、「経済的困窮・生活苦」38.0%
★ 重篤事案(虐待の深刻度が4,5)の全体的な傾向
・ H24年度から4年間で調査該当事例2,634件
・ 「身体的虐待」が69.9%(それ以外:67.5%)、「ネグレクト」が32.4%(それ以外17.1%)
・ 発生要因としては、「加害者の障害・疾病」26.5%、「加害者の介護づかれ・介護ストレス」25.8%、「経済的困窮・生活苦」17.4%
★ 自治体が上げた死亡事件の課題と対策の傾向
・ 事前対応にかんする課題:「関係者・機関との情報共有・連携・認識ギャップ」30.0%、「事前の兆候察知・情報把握」20.0%、「加害者を含む養護者支援・家庭支援(家庭全体としての情報把握を含む))18.9%
・ 事件を受けてとった対応策:「関係機関連携・情報共有の強化」24.4%、「研修会の実施、啓発活動の実施」13.3%
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* 死亡および重篤事例に関しては、事前対応において、「関係機関連携・情報共有の強化」や「加害者を含む養護者支援・家庭支援」が一層重要であるということですね。
* 重篤事例についても、関係機関連携・情報共有のために、「AAA多機関ケースカンファレンス・シート」を活用していただけたらと思います
(http://www.elderabuse-aaa.com/contact.html)
当該事例の「安全像」(当該事例にとって安全・安心と言える状態像)を具体的に描き出すときは、同時に「危険像」も描きます。現時点での当該事例の状態は、この二つの状態像のどこら辺りに位置付けられるのか。
カンファレンスの参加者全員で、この作業を行います。
(副田)